渦巻く海面の程近くに平たく頭を出している岩礁。
波が落ち着いている瞬間はまるで海の上のステージの様。
波が行きかう合間に平たい面が見える度にあの岩の上に立ちたいという衝動に駆られる。
次の瞬間荒々しい波が砕けながら岩の上を通り過ぎる。
水は暫し岩の上で踊り、そして、また海に帰る。
海の上のステージの幻想は水に流されどこかに消える。
暫く眺めていると、また、ステージが現れる。
懲りずにステージの上に立つ幻想に襲われる。
そしてまた荒い波がその幻想を打ち砕きながら岩の上を通り過ぎる。
見ていて飽きない風景には何か心の動き捉えているものがあるのかも知れない。
ある穏やかな日の江の島の岩礁。