カンバンコレクション,

それぞれの釣り禁止

sign board for fishing
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エクスクラメーションマークが2つ。

強い言葉のはずがカンバンから受ける印象はそうでもない。

発行者の署名は硬いが小さく控え目。

軟らかい印象の図柄の賜物かもしれない。

分かりやすく印象の良いデザイン。




釣り禁止の背景にはそれぞれ場所でそれぞれの事情があるだろう。

そう考えると各所の釣り禁止にはカンバンに書かれていないいろいろな理由があると思う。

そして結果として釣り禁止となったということを受け入れざるを得ない流れがあるかもしれない。


東京吉祥寺駅の程近くにある井の頭恩賜公園内の井の頭池にも釣り禁止の看板がそこかしこに立てられている。

カンバンの印象は禁止を伝える内容にも拘らずどこか配慮を感じさせる図柄で刺々しい感覚は受けない。

池では陽気のいい日には観光客が乗ったスワンボートが所狭しと犇めく。

大掛かりなかいぼりで定期的に池の水をすべて抜き、人なりで取捨選択し、従来の生態系の保存に努めている。

カワウやゴイサギ、カワセミをはじめ多種多様な野鳥が住み着いている。

季節には多くの渡り鳥が立ち寄るスポットとなる。

池の中には池の主と言われている巨大なスッポン様も住んでいる。

大事にされた魚、取り残された針や釣り糸、腐った餌。心無い釣り人のマナー。

それぞれの人の希望は別として、この場では何かしらのバランスの結果として釣り自由より釣り禁止が選択されたということ自体にも考える余地があるような気がする。

本当のところは良く知らないまでも、カンバン一つで、考えだせば限りない。