語る写真の試み

夕暮れの一方通行を行く



空はまだ青いが、標識には夕暮れはじめの空が映り、オレンジがかる。

夕暮れの街を行く。

時間が迫っている。





このカンバンはシカゴ市街のもの。シカゴの厳しい冬の寒さと夏の日差しの風雪に長年耐えてきたせいか、ひび割れながら力強く立ち続ける。

アメリカにはいろいろな国の言葉を話す人々が住んでいる。交通標識も文書も分かりやすく直接的な表現が多い。

このONE WAYの文字と記号は分かりやすく、また、かたくなに逆走を拒む。

旅行で今日予約してある宿に向かう途中、仕事を終え家族が待つ家に帰る途中、仕事の後に友人と食事に向かう途中。それぞれいろいろな気持ちを心に抱きながら進む。

道に迷えば引き返したり、通れなければ回り道をすることができる。そして、目的地に向かって進む。

一旦この道に入ると戻ることはできない。目的地に向かう道かもしれない。間違いの道かもしれない。

人生の一方通行は慎重に通りたい。