語る写真の試み

あの空を見たのはいつだったろうか



脳裏に残るイメージは鮮明なディテールを教えてくれない。知りたいと思えば思うほど見えなくなる。

夏の暑さ。眩しく透き通った青い空。強烈な太陽の光。何が見えるだろう。





初夏の暑い日の湘南の空。どこまでも晴れ渡る青空。優雅に舞う一羽の鳥。強烈な日差しに侵食される青空。高い音が聞こえるような強い日の光から居心地のよい静かな空に向かい逃げているようにも見える。

初夏のある日の思い出とともにある景色。

夏のある日の空を想うこともある。ある夏のいつかの日の空を想うこともある。夏に見上げた空を想うこともある。

印象は不思議だ。それが本当なのか、それとも幻想なのか。事実なのか作られたイメージなのか。今となっては分からない。

脳の中にいるもう一人の自分が心をくすぐる景色を作り出しているだけなのかもしれない。