語る写真の試み

夏の思い出より一枚上手な冬



まだまだ夏の余韻を残していた昼さがりの秋晴れの空に小さく白い雪の結晶が舞う。





上空の冷気できれいな結晶を作った雪は強い風に煽られてぶつかり合い、角が取れたごく小さい丸い雪の結晶となり、冷え始めたアスファルトに舞い落ちる。軽い結晶は、つむじ風に乗りアスファルトの上を舞う。

まだ楽しかった夏に心を馳せていた秋の日だったはずが、一瞬冬が見えたとたん、夏は完全に思い出になり、冬が脳裏を支配する。シカゴの長い冬の厳しさは、夏の郷愁より一枚上手であった。