春の日。
池のほとりの日陰で浮き出るように静かに開いていた白い花。
日陰に映える白。
湿気のある場所に生える緑の濃い葉に囲まれて尚更浮き出て見える。
しっとりとした空気の中で花開く真っ白いシャガの花。
それほど大きな花ではないがどことなく存在感がある。
アヤメ科のシャガは、ジャパニーズアイリスJapanese Irisという英語の名前にあるように至極日本的な花なのかもしれない。
東京吉祥寺駅の程近くにある井の頭恩賜公園の井の頭池のほとり近くに春になると多くのシャガの花が咲き誇る場所がある。
湿気のある場所で濃い緑の草と日陰の少しくらい場所に花咲くことで尚更その特徴的な白い花が浮き彫りにされ独特な存在感を放つ。
毒々しいような不気味な外見の様にも見えるが、反面、どこか凛としていて親近感のある雰囲気の花。
そして日本的な名前。
一度知ると毎年この花を見つけるたびに少し嬉しい気持ちになる。