旅の目的地の一つに纏わる、そこにまともな道すらなかった時代の話。
やむを得ない事情で目的地に向かわざるを得ない人々がやむなく荒々しい日本海の荒波のすれすれをかいくぐって命からがら海岸線の岩場を恐る恐る進んだという場所。
アルプスの日本海側の最端でもある。
親子連れがその難所を通る時に親がふと子供から目を離した隙に子は波に浚われ、振り返ると既にそこには子はいなかったというようなことだったと思う。
親不知の実話のような昔話のような話。
荒々しい日本海の波がやむを得ない事情で命からがらで通る人々から、かけがえのない子を奪ったという悲劇に悲劇を重ねたような悲惨極まりない話。
昔の日本海側の生活の厳しさが日本海の荒々しさと重なり伝わってくる話。
そして親不知という地名がついた。
今の整備された道は第何世代目の街道か分からないが、超大型トラックが凄い勢いで行き交う崖沿いの曲がりくねった道が続く。
そんな昔の言い伝えのような話を感じさせるものがここかしこに点在している。
もちろん今は観光に大きな不便を感じないくらい整備をされているが、現代だから何とかここを訪れることができたのかもしれないと思ってみることにした。