目的地への行きすがらにそれらしい風景を目にする。
一瞬立ち止まるが何が心を捉えたのかは分からない。
分からないながらもその風景をデジタルに収めてみる。
目をつむって香港の夜の街をイメージすると通りを彩る華々しいネオンサインの洪水が脳裏をかすめる。
昼に見ても雑然とした看板はなかなか良い雰囲気を醸し出していた。
大通りの中ほどまで我先にとせり出していた香港名物のネオンサインは消えつつあるということである。
ごちゃごちゃした風景の魅力。
何が心をとらえているかは分からない。
何かを探しているような気もする。
何かを期待しているような気もする。
頭の中にできた常識の期待をどこか少しだけ裏切る風景。
整理されていると思い込んでいるものが、ただ雑然としていて整理されていない姿が発信するその圧倒の情報量が心をくすぐるのかもしれない。